悪徳不動産業者に騙されないために!良い不動産業者の選び方
残念なことではありますが、不動産業者の中にはとても褒められた仕事をしていない悪徳な業者がいるのは事実です。
不動産という業界の性質として、ひとつひとつの案件の単価がとても高く、ちょっとした間違いや誤解が大きな損失を生んでしまいます。
他にも場所や形状、その他購入者が求める条件も十人十色なため、単純なパターンに当てはめることが難しく、その取引に関わる当事者たちのさじ加減で契約を取り交わします。
そういった不動産取引の性質を利用して、不動産に関する知識の無い一般のお客さんから必要以上の費用を払わせたり、悪い条件のまま無理やり契約まで持っていく業者もいます。
今回は、そういった悪徳不動産業者に騙されないために、
- 悪徳不動産業者はどういうことをしてくるのか
- 悪徳不動産業者に対する防衛策
- 良い不動産業者との見分け方
などを解説していこうと思います。
これから不動産購入を考えている方や、賃貸不動産を探している方などは是非読んでみてください。
Contents
悪徳不動産業者によくある手口
悪徳不動産業者は、他社よりも利益を上げるためにあらゆる手段で仕掛けてきます。
利益を上げるという行為自体は経済活動上当然のことなのですが、悪徳不動産業者は平気で「嘘」をつき、「本来は不要な費用」を支払わせようとします。
悪徳不動産業者がよく使う手口は、以下のようなものがあります。
おとり広告
悪徳不動産業者がよく使う手口として有名なものが「おとり広告」です。
売買でも賃貸でも、この手口は時代を超えていつまでも存在しています。
端的に言うと、「本来は存在しない好条件の物件の広告を出し、集客のきっかけとする」手法です。
インターネットなどでとてもいい物件を見つけてお店に行ってみると、「もう決まっちゃいました。代わりにこちらの物件はどうですか?」と別の物件を契約させようとしてきます。
もちろんおとり広告は違法ですので、そのような広告をした業者は2年以下の懲役または300万円以下の罰金が課せられる可能性があります。
おとり広告については以下の記事でまとめておりますので、是非ご覧ください。
それでもやはり、おとり広告はなかなかなくなりません。
何故なら現在のシステム上、お店の方が言う「もう決まっちゃいました」が本当である可能性も十分にあり得るからです。
そのため、おとり広告を根絶するのは難しく、ある程度自衛するしかありません。
上記の記事にはおとり広告の見分け方なども記されているので、是非ご一読ください。
何かにつけて費用を請求してくる
不動産のルールを定めた宅建業法では、不動産業者が受け取ることができる報酬には以下の様に制限を設けています。
賃貸仲介の報酬の上限 |
家賃の1か月分 |
売買仲介の報酬の上限 | |
売買価格 | 報酬額 |
400万円超 | 3%+6万円 |
200万円超 400万円以下 | 4%+2万円 |
200万円以下 | 5% |
こうして報酬に制限が設けられているため、不動産業者はそれ以上の利益を上げようと、仲介報酬だけではなく別のところであれこれと費用を請求してきます。
『契約書類作成手数料』や『ローンあっせん費用』など、通常の不動産業者なら当然に遂行する業務などについても費用を請求しようとします。
前もっての説明などありませんし、話がまとまった最後の最後に請求して断りにくくするパターンが多いです。
そして一般の不動産に関する知識の無いお客さんは、よくわからないままに支払ってしまいます。
私の知り合いの中には、賃貸のために何件か部屋を案内してもらっただけで「案内手数料」、見て回った部屋の中にいいものがなかったので帰ろうとしたときに「キャンセル料」を請求されていました。
もちろん、お客さんが支払うべきなのは契約が成立したときの上記の報酬とその他契約上必要な実費のみで、契約もしていないのにこのような費用を支払う必要はありません。
どれだけの費用がかかるのかは前もって見積もりとして出してもらい、不可解な項目や不自然に高い項目がある場合はしっかり質問したり、一度持ち帰って調べてみましょう。
判断を急かしてくる
大きな買い物をするときはできるだけ慎重に選びたいものですが、悪徳不動産業者は考える時間をできるだけ与えないように判断を急かしてきます。
「他にも検討中の方がいます」
「人気の物件なのですぐ埋まりますよ」
「明日にはもうないと思います」
など、あたかもすぐに決めないとなくなってしまうというイメージを持たせ、あせらすことによって決断を促します。
極めつけは、一度考えるために持ち帰った内容に対して、昼夜問わず電話で営業をかけてくる不動産業者もいます。
よくある営業マンの心得のような本の中で「クロージング(契約完了)は考える時間を与えるな!」などと書かれていたりします。
これも裏を返せばひとつの営業テクニックではありますが、上記のようなセリフを真実ではないのに告げているのであれば、それは単なる「嘘」でありテクニックでもなんでもありません。
しかも営業マン個人の判断で言っているわけではなく、会社としてそういった方針をとり社員を教育している場合が多く、そういった業者はさすがに悪徳と言わざるを得ません。
悪徳不動産業者に騙されないために
身近に不動産に関して相談できる様な親しい友人や知人がいない限り、ある程度ご自身で自衛するしかありません。
悪徳不動産業者に騙されないために最低限できることを解説していきます。
今どき悪徳な不動産業者なんてあるの?口コミサイトでチェック
そもそも、このご時世にまだ悪徳不動産業者なんているのかということは私自身しばしば知人から聞かれます。
悪行を働けばSNSなどですぐに拡散されますし、クチコミサイトもすぐに確認できます。暴力団や反社会的組織を締め出すための法律の整備もどんどん進んでいるのは事実です。
しかし、少しでも利益を上げようとグレーなところに手を出してしまう不動産業者も多く、また、騙された方も騙されたと思わない程度にほんの少しだけぼったくるというケースが多くなっているように感じます。
2017年に積水ハウスが「地面師」に63億円を騙し取られたというニュースが飛び交いましたが、このような大それた詐欺ではなく、本来よりも数万円だけ高いとか言葉巧みに契約を促されるとかその程度の悪徳不動産業者は未だに多いと思います。
不動産業者選びで失敗しないためにも、Googleの口コミなどを事前に調べてみるのが良いでしょう。
Googleの口コミは良くも悪くも一度書き込まれた口コミはそう簡単に消されることはないので、参考になるコメントも多いかと思います。
もちろん、Googleとは言え匿名の人物が投稿している口コミなので全てを鵜呑みにしてしまってはいけませんし、自作自演の可能性もゼロではありません。
口コミの内容を全て信じるのではなく、参考程度にとどめておきましょう。
ある程度不動産に関する知識をつけておく
不動産業界のことを完全に理解するのは難しいですが、ある程度不動産に関する知識をつけておくのは、悪徳不動産業者につかまらないために大切です。
こういったネットの記事を読むのもいいですし、口コミサイトを見るなどあらかじめリサーチしておくと悪徳不動産業者かどうかを見抜ける可能性が高くなります。
不動産業界でよく使う単語を分かっておくだけでも、訳も分からず無駄な費用を取られるような危険もなくなります。
「媒介は専任ですか?一般ですか?」
「契約不適合だったときの措置はどうなってますか?」
のように不動産に関する質問をすることによって、不動産業界について不勉強な営業マンなどは狼狽えることでしょう。
何より「不動産業界のことわかってます」という雰囲気を出すだけでも、悪徳不動産業者は「この客は不動産に詳しいから騙しにくい」と判断して無茶なことはしてこないはずです。
ちなみに一般媒介・専任媒介などに関する記事もまとめておりますので、知識のひとつとして持っておくことをお勧めします。
良い不動産業者の選び方
さて、悪い不動産業者の特徴について解説してきましたが、反対に良い不動産業者の選び方も知っておきましょう。
売買にしても賃貸にしても、一生に一度になるかもしれない大きな買い物ですので、せっかくなら信頼できる不動産業者に担当してもらいたいものですね。
担当者が宅建士の資格を持っている
宅建士とは、正式には「宅地建物取引士」という不動産の売買や賃貸の仲介をするときに必要な資格です。
不動産業者は、5人の従業員ごとに1人の宅建士を置かなければならないため、不動産業を営む上で不可欠な資格になります。
決して易しい試験ではないので、宅建士を持っているということはそれなりに不動産に関する知識があります。
また、大阪府に宅建士として登録されており、もし悪いことをしたら免許を剥奪されて宅建業を営めなくなってしまうため、宅建士はあまり無茶はできません。
なので宅建士の資格を持っている方が担当者としてついてくれたのであれば、ほとんどの場合信頼しても良いかと思います。
もちろん宅建士の資格を持っていない担当者でも、真面目で真剣にお客さんのことを考えている方も多いと思います。
しかしこれも不動産業界によくあることなのですが、不動産の営業マンはすぐに辞めてしまう方も大変多いです。
取引後に担当者から聞いていた話と全く違うので、問い合わせてみたところ
「その担当者はもう辞めてしまいました。その担当者についてのクレームが殺到しておりこちらも困っている」
などと被害者側の言い分のようなことを言ってくる不動産業者もあります。
このように、営業マンに無茶苦茶なことをやらせておいてトラブルになったら雲隠れさせる、とかげのしっぽ切りのようなやり方を確信犯的に行っている悪徳不動産業者も中には存在します。
しかし、担当者が宅建士である場合はこうしたやり方もできません。
大きな買い物を失敗させないためにも、もし可能なのであれば宅建士の資格を持った方に担当者としてついてもらえるように交渉してみるのもひとつのやり方です。
担当者の押しが強すぎない
営業活動のひとつとして、強くおすすめしてお客さんに一歩踏み出させてあげるというのも不動産業者の役割としてはとても重要です。
しかしあまりにも押しが強かったり見境なく連絡をしてきたりするようでは、迷惑以外の何物でもありません。
こういった営業方針については担当者の個性にもよるかも知れませんが、中には会社の方針として「ガンガン押していけ!」という指示が出ている場合もあります。
そう言った不動産業者では、担当者がノルマ達成を焦るあまり細やかな配慮が足りていなかったり、重大な欠陥を見落としてしまう可能性も高くなります。
本当に優秀な不動産の営業マンはむやみやたらに押してくるのではなく、きちんと考える時間を与えてくれた上で契約へ導いてくれます。
メリットもデメリットも提示してくれる
購入や賃貸を考えている物件に対して、良い面だけではなく悪い面も隠さず伝えてくれる不動産業者は信頼できると言えます。
もちろん、悪い面を伝えてしまうとお客さんは契約しようと思っていても二の足を踏んでしまうものです。
しかし、不動産という大きな買い物のときに良い面しか見ずに契約してしまうと、必ず後になって不具合が出てきて後悔してしまいます。
あえて悪い面も伝えて、それでもなお魅力が勝っていると納得して契約に至るというプロセスがお客さんの真の満足に繋がります。
もちろん、デメリットを伝えたということも後になって「言った、言ってない」のトラブルになってしまう可能性があります。
私も経験がありますが、悪徳不動産業者は重大な欠陥について「え、前に言いましたよね?」と説明されていないにも関わらずとぼけられたこともあります。
細かいことでも、きっちりと重要事項説明に記載してもらうか、もしくは話を聞きながら目の前でメモを取っておくとそういった事態を防げます。
まとめ
- 悪徳不動産業者のよくある手口を知っておこう
- 悪徳不動産業者に騙されない方法を知っておこう
- 良い不動産業者もたくさんいるので、信頼できる業者を選ぼう
一生に一度かも知れないような不動産という大きな買い物で失敗しないためにも、業者選びはとても重要です。世の中には悪徳不動産業者ばかりではありませんが、まだまだ多いのが現状です。
悪徳不動産業者につかまらないためにも、不動産業者に関する情報や手口を知っているだけで回避できるようになるので、自衛する意味でもある程度不動産に関する知識は身に付けておくことをおすすめします。
著者プロフィール
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大阪府池田市出身。立命館大学政策科学部卒業。
流行を追いかけるのが大好きでトレンドをつかむのが得意な一面と、歴史について学ぶのが好きで伝統を重んじる面を持ち合わせています。
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